食費・食品ロス

てまえどりとは?食品ロスを減らす買い物方法と値引き品との違い

2026年8月25日

スーパーやコンビニの商品棚を見ると、同じ商品でも賞味期限が違うことがあります。

手前には期限が近い商品。

奥には、それより少し期限の長い商品。

そんなとき、つい奥から取ってしまうことはないでしょうか。

「どうせ同じ値段なら、少しでも長く持つほうがいい」

そう考えるのは自然です。

ただ、その商品を今日や明日に食べるのであれば、数日先の賞味期限まで必要ないこともあります。

そこで広がっているのが**「てまえどり」**です。

てまえどりとは、購入後すぐに食べる予定の商品について、棚の手前にある販売期限の近い商品を積極的に選ぶ行動のことです。

農林水産省、消費者庁、環境省なども、小売店と協力しててまえどりを呼びかけています。

ただし、ここは少し勘違いしやすいところです。

てまえどりをしたからといって、必ず安く買えるわけではありません。

値引きされていない商品なら、奥の商品を選んでも手前の商品を選んでも支払う金額は同じです。

それでも、今日食べる物なら手前から選ぶ。

この小さな選択が、お店で廃棄される食品を減らすことにつながります。

てまえどりとは「すぐ食べるなら手前から取る」こと

農林水産省は、てまえどりを、購入してすぐ食べる場合に商品棚の手前にある商品を選ぶ行動として紹介しています。

スーパーなどでは、まだ食べられる商品でも販売期限が来ると店頭から撤去され、廃棄の対象になる場合があります。

そのため、すぐ食べる商品について販売期限の近い物から売れていけば、店舗で発生する食品ロスを減らしやすくなります。

たとえば、今日のお昼に食べるパンを買うとします。

手前の商品は明日が賞味期限。

奥の商品は3日後が賞味期限。

今日食べるのであれば、どちらを選んでも困ることはほとんどないでしょう。

そんなときに手前の商品を選ぶ。

これが、てまえどりの分かりやすい例です。

逆に、3日後に食べる予定の商品まで無理に期限の近い物を選ぶ必要はありません。

てまえどりは、

「何でも手前から取らなければいけない」

というルールではないからです。

あくまで、

すぐに食べる物なら手前から。

これくらいで考えると取り入れやすいと思います。

てまえどりと値引き品は別のもの

てまえどりと見切り品は、似ているようで少し違います。

前の記事で触れた見切り品は、販売期限などが近づいた商品を店側が値引きして販売しているものです。

30%オフ。

半額。

このように価格そのものが下がっています。

一方、てまえどりは商品の取り方です。

値引きされていなくても、棚の手前の商品を選べばてまえどりになります。

ここを分けて考えると分かりやすいでしょう。

値引きされていれば節約にもなる

手前の商品に値引きシールが付いていて、今日食べる予定なら、食品ロス対策と食費節約を同時にできます。

普段300円で買っている商品が20%引きなら240円。

必要な商品を60円安く買えます。

こういう場合は分かりやすく家計にもプラスです。

ただし、

「てまえどりをすれば節約になる」

という言い方は少し違います。

値引きされていなければ、支払額は変わりません。

てまえどりの一番の目的は、あくまで食品ロスを減らすことです。

安いから予定外の商品を追加しない

反対に、期限の近い商品が値引きされていても、食べる予定がなければ買う必要はありません。

半額になっているからパンを追加する。

家に夕食があるのに総菜を買う。

これでは支出が増えます。

前の記事の見切り品と同じで、

必要な物が安くなっていたら利用する

くらいの考え方がちょうどいいでしょう。

どんな食品なら「てまえどり」しやすい?

てまえどりを実践しやすいのは、買ってからすぐ食べる食品です。

その日に食べる弁当やおにぎり

昼食として買うおにぎり。

帰宅後すぐ食べる弁当。

こういう商品なら、必要以上に長い期限の商品を選ぶ必要はありません。

今日食べるのであれば、手前の商品でも問題がないか期限を確認して選びます。

明日の朝に食べるパン

食パンや菓子パンなども、翌朝食べると決まっているなら、期限内に食べ切れる商品を選べます。

ただし、一袋を数日かけて食べる場合は別です。

夫婦2人で何日くらいで食べ切るのかを考えて選びます。

その日の夕食に使う豆腐や総菜

夕食の献立が決まっていて、

「今日は豆腐を使う」

「今夜はこの総菜を食べる」

と分かっているなら、期限の近い商品から選びやすくなります。

大事なのは、

買ったあと、いつ食べるか分かっていることです。

無理に手前の商品を選ばなくてもいい

てまえどりを知ると、

「奥から商品を取るのはよくないのかな」

と思ってしまうかもしれません。

そこまで考える必要はありません。

数日分をまとめて買う。

家族の予定がまだ決まっていない。

少し長く保存したい。

こういう事情があるなら、期限を確認して必要な商品を選べばいいと思います。

てまえどりは、買い物を不便にするためのものではありません。

環境省も「すぐに食べる」場合に、販売期限の迫った商品を積極的に選ぶ行動として説明しています。

つまり、

今日食べるなら手前。

数日後に使うなら必要な期限の商品。

この使い分けで十分です。

食べ切れなければ家庭の食品ロスになる

お店の食品ロスを減らそうと思って期限の近い商品を買っても、自宅で食べ切れずに捨てたら意味がありません。

店舗から家庭へ食品ロスの場所が移っただけになってしまいます。

てまえどりをするときも、

「期限が近い物を選ばなくては」

ではなく、

「この期限なら自分たちが食べ切れる」

と判断することが大切です。

夫婦2人なら、食品の減るペースも考えたいところです。

今日食べる物は迷わず手前から。

数日かけて食べる物は、食べ切れる期限の商品を選ぶ。

このくらい柔軟でいいと思います。

買い物で迷ったら「いつ食べる?」を先に考える

てまえどりは、難しい節約術ではありません。

特別な道具も必要ありません。

棚の前で一度、

「これ、いつ食べるんだっけ?」

と考えるだけです。

今日なら手前。

明日でも期限に余裕があれば手前。

来週なら、それまで保存できる商品を選ぶ。

この考え方は、食品を買いすぎないためにも役立ちます。

食べる日を考えず商品を選ぶと、

「とりあえず買っておこう」

が増えます。

逆に、食べる日が決まっていれば、必要な量も見えやすくなります。

農林水産省も、食品ロスを減らす基本として「買いすぎない」「作りすぎない」「食べ残さない」ことを挙げ、買い物前に献立や家にある食品を確認して必要な分を購入することを勧めています。

てまえどりだけを単独の習慣にするより、

買う量を決める。

食べる日を考える。

すぐ食べるなら手前から選ぶ。

この流れにすると自然です。

てまえどりで気をつけたいこと

てまえどりを始めても、買い方を大きく変える必要はありません。

むしろ、やりすぎないほうが続けやすいと思います。

賞味期限だけを見て買わない

期限が近い商品でも、自分たちが食べない物なら買いません。

食品ロスを減らす一番簡単な方法は、必要のない食品を買わないことです。

奥の商品を取る人を気にしない

家庭によって、食品を食べる日は違います。

数日後に使う人なら、期限の長い商品が必要なこともあります。

自分がすぐ食べる商品について、できる範囲で手前を選ぶ。

それで十分です。

値引きされるまで待たない

てまえどりと見切り品を混同して、

「もう少し待てば値引きされるかな」

と考える必要もありません。

今必要な商品を、今買う。

そのとき期限が問題なければ手前を選ぶ。

シンプルな行動だからこそ続けられます。

まとめ

てまえどりとは、商品を買ってすぐに食べる場合に、棚の手前にある販売期限の近い商品を積極的に選ぶ行動です。

食品ロスを減らすため、農林水産省、消費者庁、環境省なども普及を進めています。

ただし、てまえどりと値引き品は同じではありません。

値引きされていなければ、手前の商品を買っても支払う金額は変わりません。

だから、

てまえどり=節約術

と考えるより、

すぐ食べるなら、必要以上に期限の長い商品を取らない

くらいに考えるほうが自然です。

そして、手前の商品が値引きされていて、ちょうど必要な物なら家計にもうれしい。

一方で、数日後に食べる予定なら、無理に期限の近い商品を選ばなくても構いません。

夫婦2人暮らしでも、判断はシンプルです。

今日食べるのか。

明日食べるのか。

数日後なのか。

買う前に一度だけ考える。

そのうえで、すぐ食べる物なら手前の商品を選ぶ。

てまえどりは、大きな我慢をする節約ではありません。

普段の買い物の中で、ほんの少し商品の選び方を変える。

それだけで参加できる食品ロス対策です。

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