節約術と豆知識

二人暮らしの食費はいくら?総務省データから考える食費の目安

2026年8月27日

「うちの食費、多いのか少ないのか分からない」

そう感じたことはないでしょうか。

家計簿をつけていても、比較する相手がいなければ、その数字が高いのか低いのか判断がつきません。ましてや、つけていなければなおさらです。

わが家も相方との二人暮らしですが、食費を「いくらに抑えるべきか」を最初に決めていたわけではありません。まず、世の中の平均がどのくらいなのかを知ることから始めました。

この記事では、総務省の公的な統計データを紹介しながら、それをどう「自分の家庭の目安」として使えばよいかを整理します。

目次

  • 総務省「家計調査」とは
  • 「二人以上世帯」の食費データ
  • 「二人暮らし」に近い数字を見る
  • 食費に何が含まれるか
  • 自分の食費を把握する方法
  • 地域による違い
  • 物価の変動も考慮に入れる
  • 平均との付き合い方
  • よくある質問
  • まとめ

総務省「家計調査」とは

総務省統計局が毎月公表している「家計調査」は、全国約9,000世帯を対象に、収入・支出の実態を調べた統計です。景気動向の把握や、生活保護基準の検討などにも使われる、公的な基礎資料のひとつです。

食費に関する数字も、この調査の中の「食料」という支出項目から確認できます。家庭の実感だけでなく、こうした公的データと照らし合わせることで、自分の家計を客観的に見る材料になります。

「二人以上世帯」の食費データ

総務省の家計調査(2025年、第3-1表「世帯人員別1世帯当たり1か月間の収入と支出」、用途分類)によると、「二人以上の世帯」の食料費は、平均で1世帯あたり月89,754円でした。

※家計調査には「用途分類」と「品目分類」という2種類の集計方法があり、集計方法によって「食料」の金額が異なる場合があります。この記事では、2人世帯など世帯人員別に比較できる第3-1表(用途分類)の数値を使用しています。

「二人暮らし」に近い数字を見る

ここで一つ、正確に押さえておきたい点があります。

89,754円という数字は「二人以上の世帯」の平均であり、これは2人・3人・4人以上の世帯をすべて含んだ数字です。2025年の調査では、この「二人以上の世帯」の平均世帯人員は2.87人となっています。つまり、厳密には「二人暮らし」だけの数字ではありません。

家計調査の第3-1表には、世帯人員別(2人、3人、4人、5人、6人以上)に分けた詳細なデータが公表されています。2025年の実際の数値は次のとおりです。

  • 2人:79,340円
  • 3人:92,240円
  • 4人:103,384円
  • 5人:112,019円
  • 6人以上:123,241円

二人暮らしの家庭が比較するなら、平均の89,754円よりも、2人世帯の79,340円の方が条件が近い数字です。2人から5人までの範囲で見ると、世帯人員が1人増えるごとに食費もおおむね9,000円〜13,000円程度増えていく傾向があります(6人以上は世帯人員に幅があるため、単純な延長では見ないほうがよいでしょう)。

食費に何が含まれるか

家計調査の「食料」には、米・パン・麺類などの穀類、肉類・魚介類、野菜・果物、調味料といった、いわゆる食材費に加えて、外食費、総菜や弁当などの調理食品、酒類も含まれています。

家庭によっては、「食費」という言葉をスーパーでの買い物代だけを指す意味で使っていることもあります。外食費を別枠で管理している家庭が、統計の食費と単純に比較すると、実際より低く見えてしまうことがあります。

比較するときは、範囲をそろえることが大切です。自炊が中心の家庭であれば食材費の割合が大きくなり、外食や中食を活用する頻度が高い家庭では、その分の支出が食費全体を押し上げます。同じ食費でも、内訳が違えば見直すポイントも変わってきます。

なお、家計調査には「品目分類」と「用途分類」という2種類の集計方法があり、集計方法によって「食料」の金額が異なる場合があります。この記事で紹介している数字は、世帯人員別に比較しやすい用途分類の第3-1表に基づいています。より詳しく確認したい場合は、総務省統計局やe-Statで公開されている統計表を直接ご覧いただくと確実です。

自分の食費を把握する方法

正確な家計簿をつける必要はありません。ざっくりとした把握で十分です。

レシートを1か月分、袋や箱にまとめて入れておくだけでも、月末に合計額を見れば大まかな食費が分かります。家計簿アプリを使えば、レシートを撮影するだけで自動的に集計してくれる物もあります。

余裕があれば、レシートを「食材」「外食」「総菜・弁当」の3つに大まかに分けてみると、自分の食費がどこに偏っているかも見えてきます。「思ったより外食が多い」「食材費はそこまで高くない」といった気づきが、次に何を見直せばよいかのヒントになります。

細かい費目分類や、1円単位の記録は必要ありません。大切なのは、細かく分類することではなく、「だいたいいくら使っているか」を知ることです。これが分かって初めて、統計データとの比較が意味を持ちます。

把握を1回で終わらせず、2〜3か月続けてみるのもおすすめです。月によって、まとめ買いをした月とそうでない月では金額に差が出ることがあります。1か月だけの数字で判断するより、数か月の平均を見た方が、自分の食費の実態に近づきます。

地域による違い

家計調査では、都市階級や地方ブロックごとの支出額も確認できます。地域によって、物価水準や生活スタイルには差があるため、食費の平均にも一定の地域差が見られます。

「全国平均より高いから使いすぎ」「低いから大丈夫」と単純に判断する前に、地域ごとの傾向も踏まえて考えると、より実感に近い比較ができます。ただし、地域差の詳しい内訳は年によって変動するため、正確に知りたい場合は、総務省統計局やe-Statで公開されている都市階級別・地方別・都道府県庁所在市及び政令指定都市別の統計表を確認するのが確実です。

同じ日本国内でも、住んでいる場所によって手に入りやすい食材や、よく利用する店の価格帯は異なります。近所の相場感と、全国的な統計データの両方を知っておくと、どちらか一方だけを見るより、自分の食費を判断しやすくなります。

物価の変動も考慮に入れる

食費のデータを見るときは、物価の動きも意識しておきたいところです。

総務省の家計調査(2025年)によれば、二人以上世帯の消費支出全体は、1世帯あたり月314,001円で、前年に比べて名目4.6%の増加、物価変動の影響を除いた実質でも0.9%の増加となっています。これは食費だけでなく、住居費や交通費なども含めた支出全体の数字です。

支払う金額(名目)が増えただけでなく、物価変動の影響を除いた実質でも0.9%増加しています。つまり、2025年の消費支出全体の増加は、物価上昇だけによるものではないことが分かります。

食料費についても、年によって名目と実質の伸び率が異なることがあります。年ごとの詳細な増減率を知りたい場合は、総務省統計局が公表する「家計調査報告」の概要資料で確認できます。数字は年によって変動するため、比較する際は最新の資料を確認するのが確実です。

家計調査のデータは毎月更新されるため、年単位で数字を比べる際は、その年の物価動向も合わせて確認すると、より実態に近い比較ができます。

平均との付き合い方

ここまで紹介してきた数字は、あくまで比較のための「ものさし」であり、目指すべき「正解」ではありません。

平均額は、全国のさまざまな世帯を合わせて算出した数字です。地域による物価差、外食の頻度、家族の年齢層、仕事の忙しさなど、条件によって適正な食費は大きく変わります。

平均より高かったとしても、それだけで「使いすぎ」と決めつける必要はありません。外食が多い、特定の食材にこだわりがある、まとめ買いで在庫を多めに持っているなど、理由はさまざまです。逆に平均より低い場合も、それが必ずしも良いこととは限らず、必要な食材を削りすぎているケースもあります。

一番避けたいのは、平均額そのものを目標にしてしまうことです。「平均が約9万円だから、うちもそこに合わせなければ」と考えて無理な節約を続けると、長続きしません。平均データは、あくまで自分の食費を振り返るきっかけとして使い、目標にする金額は、自分の家庭の状況に合わせて考えるのが現実的です。

食費を見直す際は、金額そのものより、内訳のバランスを見直す方が効果的なことも多くあります。たとえば、外食や中食の割合が高い場合は、次の記事で紹介する自炊とのコスト比較を参考にしてみてください。逆に食材費の割合が高い場合は、大容量パックの使い切りや見切り品の活用など、これまでの記事で紹介した方法が役立ちます。

よくある質問

Q. 最新の総務省データはどこで確認できますか?

総務省統計局のホームページ、または政府統計の総合窓口(e-Stat)で、最新の家計調査結果を確認できます。数字は毎月・毎年更新されるため、比較する際は最新のものを確認するのがおすすめです。

Q. 「二人暮らし」のちょうど2人分のデータは見られますか?

家計調査には、世帯人員別(2人、3人、4人…)に分けた詳細結果表があります。総務省統計局やe-Statで公開されている表を確認すると、より近い条件でのデータが見つかります。

Q. 外食が多い家庭は、統計と比較しにくいのでしょうか?

外食費も家計調査の「食料」に含まれているため、比較自体は可能です。ただし、比較する際は自分の食費にも外食費を含めているかを確認する必要があります。

Q. 食費を減らすには、まず何をすればいいですか?

いきなり金額を決めるより、まずは今の食費を把握することが最初の一歩です。そのうえで、買い物や保存、使い切りの工夫を積み重ねていく方法があります。

Q. 家計調査の数字は、いつごろ更新されますか?

月次の結果はおおむね翌々月に公表され、年間の平均結果は翌年の2月ごろにまとめて公表される流れになっています(実際の2025年平均結果は2026年2月に公表されています)。正確な公表日は、総務省統計局の公表予定でご確認ください。年単位で比較する場合は、確定した年間平均のデータを使うと安定した比較がしやすくなります。

まとめ

食費の適正額に、全世帯共通の正解はありません。

総務省の家計調査(2025年、第3-1表、用途分類)によれば、二人暮らしに近い世帯人員2人の食費は79,340円、二人以上世帯全体(平均2.87人)では89,754円というデータがあります。2人から5人までの範囲では、世帯人員が1人増えるごとに食費もおおむね9,000円〜13,000円程度増えていく傾向も見えてきます。

大切なのは、平均と比べて一喜一憂することではなく、まず自分の食費を把握し、その中身を振り返ることです。

こうした統計データを参考にすると、自分たちの食費のどこに偏りがあるかを意識しやすくなります。

まずは1か月、レシートをまとめてみることから始めてみてください。数字が見えると、次にどこを見直せばよいかが自然と分かってきます。今の食費が平均より高いか低いかよりも、その中身を知ることの方が、この先の節約にはずっと役立ちます。

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